深谷川 蛇の谷

蛇の谷はいかにも登攀的なイメージが強く、これまで敬遠してきた沢だったが、このたびS野さんという強力なクライマーに同行する機会を得ることができた。

取りつきは林道からまず深谷川の本流に降りるのだが、のっけから20mの懸垂下降。これは経験者がいないとわかりにくい入渓点だ。

本流を少し下降したところが蛇の谷の出合。ぱっと見、水量も大したことなく、貧相な感じなのだが・・・。

歩き出すとすぐに釜を持ったF1が現れ、いきなり難しい滝登りではじまる。

この後も次々とロープが必要な滝、滝、滝の連続で、しかもほとんどシャワークライムなので冷たい。今日は久しぶりにウェットを着てきて正解だった。

この沢は全般的に岩がぬめっていていずれの滝も見た目より難しい。リードは全部S野さんにお任せした。荷物はパートナーのジョコさんに預け自身は空身でガンガン登る。その突破力は素晴らしい。ジョコさんも、いかにもクライマーらしいムーブを駆使しつつ、嬉々として滝に取りついていく。釜もシャワーもものともしない。そんな若いパワーに私とaoitoriさんは付いていくのがやっとであった。

とりわけ核心のF8は難関の右壁ルートを回避して中央ルートをとり、しかもセカンドであるにも関わらず結局登れず巻くことに・・・無念であった。

水が涸れた上流部は枝沢が何本も入り本流をたどるのは難しい。途中から尾根に取りついたのは正解だったようで、快適な初級の笹薮を漕ぐと小五郎山山頂近くの登山道に出ることができた。

今回は本当に滝登りを満喫させていただいた。そしてもうちょっと登攀力を養わないと・・・と実感させられる遡行であった。

 

メンバー:S野(C.C.INA*PINA)、ジョコ(C.C.INA*PINA)、aoitori(周南山岳会)、toshi(記)